| ２学期終業式 校長先生の話 | - 2021/12/23
- 一年で最も長い80日間の２学期が本日で終了しました。大きな事故もなくこの日を迎えることができて、本当に嬉しく思います。振り返ってみると、２学期の始業式は、群馬県に「緊急事態宣言」が出されている中での、初めてのリモートによる式でした。始業式前日の群馬県の一日の感染者数は337人で、過去最多を更新した時でもあります。みなさんもこれまでにない不安の中でのスタートだったのではないでしょうか。
そのような状況の中で、どんなときでもどんなところでも、自分自身でどうすべきかしっかりと判断できる人になってほしい、誰一人嫌な気持ちにさせない東中生徒であってほしいと話しました。みなさんの心がけもあり、９月末で緊急事態宣言が解除になり、10月から少しずつ警戒度も下がり始め、学校行事や部活動などが行える状況になりました。
体育祭や合唱コンクールでは、みなさんが力を合わせて頑張る姿に感動し、高原学校や修学旅行では、素晴らしい笑顔にたくさん触れることができました。延期や変更がありましたが、今年も実施することができて、本当によかったと思います。そうした中で、みなさんの作文や挨拶の中で「感謝の気持ち」が度々聞かれるようになりました。私は、みなさんに「コロナ禍でなければ学べないこともある」と話したことがありましたが、これまで以上に一つ一つの行事や、家族、友達、先生方などに感謝の気持ちを強くもつことができたことは、大切な心の勉強ができたのではないかと思っています。
また、２学期を迎えるにあたって、「目標をしっかりもとう！」そして、「その思いを強くもとう！」という話もしました。ひまわりの花が太陽に向かって真っすぐに伸びていくと言われているように、目標に向かって真っすぐに成長していってほしいと話したことを覚えているでしょうか。今日は、みなさんにもう一つ「花」にまつわるお話をしたいと思います。
「Blue Rose Applause」という花を知っていますか？３年生の理科の教科書にも載っています。英語で「Blue Rose」といえば、以前は「不可能」の象徴とされていました。青いバラを咲かせることは絶対に無理だと言われていたからです。今日は、なぜ不可能だと思われていた青いバラの開発に成功することができたのか、紹介したいと思います。
1990年に、ある会社が不可能だと思われていた青いバラの開発への挑戦を始めました。しかし、開発には、２つの大きな壁を乗り越えなくてはなりませんでした。第一は、青い花から青色遺伝子を取り出すこと、第二は、バラの細胞にその青色遺伝子を埋め込み、遺伝子を組み替えて青いバラを作り出す方法を開発することです。
1991年には、ペチュニアという花がもつ３万種の遺伝子の中から、青色遺伝子を取り出すことに成功しました。青いバラの開発はなかなかうまくいきませんでしたが、1997年には、青いカーネーションの開発に成功し、「ムーンダスト」と名付けて販売することができたそうです。
そして、ようやく2002年に遺伝子組み換え技術による世界初の青いバラの開発に成功したのです。開発を始めてから12年の年月が流れていました。また、この遺伝子組み換えによる青いバラが他の植物の生態系に影響を与えないことも証明し、2008年１月31日に国から販売の認可を受けることになります。商品化まで実に18年の年月が流れていました。
この開発された青いバラは、「Blue Rose Applause」と名付けられました。「Applause」とは「喝采」（大きな声を上げて褒め称えること）という意味です。目標を強くもつことで不可能が可能になったという開発物語でした。今では、この研究開発にちなんで、花言葉は「夢かなう」とされ、祝い事やエールを送るときに贈られる青いバラとしてたいへん有名になっています。もしも、青いバラを見かけたときはこの話を思い出し、自分の夢がかなうことを信じて力強く歩んでいってください。この冬休みのみなさんの頑張りに、この青いバラとともにエールを送ります。
冬休み中も自分の目標を見失わず、健康と安全に十分気をつけて過ごしてください。特に、犯罪に巻き込まれる危険を回避したり、火遊びなど大事に発展する遊びを行ったりしないなど、自分自身でしっかりと考え判断し、「自律」した生活を送ってほしいと思います。３学期の始業式では、再びみなさんと元気に会いたいと思います。よい年を迎えてください。
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