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今年の冬は寒さが厳しかったこともあり、
じっと寒さに耐えた木々の芽や草花たちは、
吹く風の温かさを敏感に感じ取り、
一斉に芽を吹き、花を咲かせようとしています。
生命が躍動する季節が
すぐそこまでやってきている、本日、ここに、
安中市立第一中学校、
平成25年度の修了式を
無事に迎えることができました。
修了式は、一年間の学校生活の区切であり、
学年ごとの「卒業式」でもあります。
ただ今、代表の生徒に、修了証をお渡ししましたが、
その修了証は、この1年間の、
すべての課程を終了した大事な証であります。
ここにいる、すべての生徒たちの進級を
心から祝福いたします。

さて、204名の3年生が抜けた
第一中学校のこの体育館は、
とても寂しく感じるのは私だけではないと思います。
3月13日に盛大に挙行された「第43回卒業式」は、
先輩をお送りしようという在校生の
温かい心のこもった祝福によって、
一中の卒業式らしく、
厳粛のうちに執り行うことができました。
来賓の皆様方からは、
「在校生のしっかりした態度、
そして、全校合唱の歌声がとても素晴らしかったです。
第一中学校としての一体感を感じました」との、
お褒めの言葉をいただきました。
とりわけ、2年生の歌声からは、
いよいよ一中の最高学年として
自分たちが主役になるのだという、
強い気持ちを感じることができました。
3年生の背中を見て、
素晴らしい後輩が育ってきていることを
私は卒業式を通して、実感した次第です。
これが第一中学校の伝統だということを
自分のこの皮膚を通して実感することができました。
卒業生たちは、
清らかな涙を流しつつ退場していきました。
こんなにたくさんの生徒が涙を流す卒業式は初めてです。
それだけたくさんの感動があった卒業式でした。
卒業生たちが流した涙の訳は何だったのでしょうか?
中学校3年間の楽しかった思い出や辛かった思い出が
心の中に溢れ出したから。
大事な仲間たちと、今日でお別れすることは
あまりに辛すぎる、
おそらく、仲間との別れの涙に違いありません。
一方、このように立派に卒業していけることが嬉しい。
ここまで成長することが出来たのは親や家族のおかげ、
そして、真剣に指導してくださった先生方のおかげ、
応援してくれた後輩たちのおかげ、
たくさんの支えがあったからこそ今の自分がある、
感謝の気持ちから出た涙でもあると思います。
いろんな感情をひとまとめにして、
敢えて言わせてもらうと、
卒業生たちの涙のもとは、
安中一中で3年間を過ごせて本当によかった、
その感情に尽きるのではないかと思います。
悩んだり苦しんだりしたけれど、
仲間たちと頑張って手に入れた一体感、
さまざまな行事を立派になし終えた達成感、
孤独な受験勉強を仲間と励まし合いながらやり遂げた喜び、
つまるところ、山の頂上に上り詰めた人だけが得られる
成就感ではないかと私は想像するのです。
3年生を担当された先生方を見ると、
しきりに涙をふいておられました。
その様子を見て、
自分の大事な教え子たちが卒業していくのを見送る
その晴れがましさ、嬉しさと同時に、
大事な我が子を手放す寂しさを想像すると、
私も自然に涙が滲みました。
☆
さて、今建築中の校舎がすべて完成し、
新たな装いの新生安中第一中学校の
第44回の卒業式は、
平成27年3月13日(金)に
挙行される予定になっています。
すでに1年を切っています。
主役は今ここにいる、2年生たちです。
それを支える生徒たちは1年生です。
私は、2学年の学年集会で時間をいただき、
これからの2年生たちの進むべき道についてお話しました。
その中で、何度も繰り返し伝えたことは、
来年、その立場にいる自分を想像してみてください、
ということでした。
入試に合格して喜んでいる自分を想像してみよう、
卒業式で、涙を流している自分を想像してみよう、
それくらい感動している自分自身の、
その気持ちを、想像してみよう。
そして、そういう自分になるために、
これからその日に向かって、
どんな努力を続けていかなければならないのかを
考えてみよう、ということでした。
振り返りシートにたくさんの素晴らしい思いを書いてくれて
2年生の生徒たちの気持ちを確かめることができましたが、
ここではそれについては触れません。
しかし、全員のシートのコピーを取って
大事にしまってあります。
☆
話は終盤に入ります。
ここで、ひとつ、前校長 竹内徹校長先生が、
昨年度の修了式で皆さんにお話しされた詩を
改めて紹介したいと思います。
思い通りの人間になる
負けると思えば あなたは負ける
もう駄目だと思えば あなたは駄目になる
失敗すると思えば あなたは必ず失敗する
勝ちたいと思う心の片隅で無理だと思えば
絶対に勝てない
勝ちたくても 勝てると思わなければ
あなたは負ける
すべては人の心が決めること
最後まで成功を願い続けた人だけが成功する
挫折しても再出発は可能だが
それも人の心が決めること
人間は 思った通りの人間になる
このような、詩です。
竹内校長先生が紹介してくださった詩によると、
人間は、思った通りの人間になれるということです。
過ぎ去った過去は、変えられません。
しかし、未来は変えられる。
反省を生かせれば、
未来をよりよいものに変えることもできるのです。
間もなく4月です。
新しい先生と、
新しい学級の仲間との出会いが待っています。
205名の後輩たちも入学してきます。
一中生らしく、チャレンジ、挑戦の精神を持ち、
自分の決めた目標に向かって頑張れば、
きっと素晴らしい未来が待っているはずです。
そのことを信じて、新年度を迎えることにいたしましょう。
最後に、春は別れの季節でもあります。
大好きな先生とお別れすることになるかもしれません。
でも大丈夫、
素晴らしい出会いが、皆さんを待ち受けています。
皆さん一人一人の笑顔がこの体育館に集い、
4月7日から始まる新たな出発を大いに期待して、
修了式の式辞といたします。
平成26年3月26日
安中市立第一中学校 校長 中津瀬 隆
平成25年度が終わりました。
終わった瞬間は安堵感が体全身に広がりましたが、
生徒たちは4月からの新たな出発を楽しみにしています。
205名の新入生を迎え入れる準備も進めなければなりません。
次年度の校内人事も慎重に協議を続けている今、
終わった感傷はとうの昔になくなりました。
次年度を順調にスタートさせるための準備を
しっかりと果たしたいと思います。
26年度は、何度も申し上げているように、
学校を挙げて学力向上に取り組むことを考えています。
日々の生活習慣の見直しもしなければなりません。
学校全体に厳しさを要求したいと思います。そのためには、
職員一丸となって努力しますので、
ぜひご期待いただければと思います。
今年度も多数の先生方が異動されます。
そして、新しい先生をお迎えすることになります。
4月1日付けで人事異動については、
このホームページにおいてもお知らせする予定です。
春休みも残すところ1週間と少々。
生徒たちには規則正しい生活を続け、
4月7日の始業式に臨めるようにご家庭にて
ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。
この1年、大変お世話になりました。
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